キウイを編むぞ

手芸店の店先で、キウイの編みぐるみキットをみつけた。

そう、ニュージーランドにいる、あの飛べない鳥のキウイです。

完成写真がなんともかわいい。

秋の夕刻に虫の音などききながら、編みぐるみなんていいではないですか。

すっかりその気になった。

編み物は得意でないが、難易度は中級となっているから、なんとかなるだろうと気楽な気持ちで買ってみた。

ところが……

いざ編み始めてみるとわからないことだらけで、早々に挫折しそう。

網目記号が理解できないし、風合いのあるウール糸は割れやすくて力加減が難しい。

手持ちのかぎ針編みの本を頼りに、網目記号の解読から始める。

毛糸のクセをつかむのにも難儀し、編んではほどきの繰り返しで初日は終わった。

次の日気を取り直して、また一から編み始める。

前日の悪戦苦闘のおかげで、なんとなくコツをつかみ始めた。

光がみえてきて「とにかく完成させる!」と決めた。

出来栄えにはこの際こだわるまい。

キウイ風の生き物ができればよい。

たとえお化けヒヨコになろうが、ヒヨドリのヒナになろうが、とにかく仕上げよう。

そうは言いながら、一番やさしいはずの胴体で四苦八苦しているのだから、この先の難関、くちばしや足はどうなることやら。

それはそのとき悩むとして、とりあえず今が楽しい。

繰り返し網目を数え、無心にかぎ針を操る、一日30分ほどのこの時間がとてもいい。

とにかく完成させるぞ!